環境対応型軟化剤併用高圧温水塗膜剥離洗浄工法とは
高圧温水塗膜剥離洗浄中
剥離した塗膜
2回3回と塗り重ねられた既存建物の外壁改修工事等の場合、既存塗膜の一部を溶かす剥離剤(塩化メチレン系溶解剤)を使うことや、ハツリ・サンダー掛けの工法によらず、既存塗膜を柔らかくする環境対応型軟化剤(高級アルコール系剥離剤)を塗布し、既存塗膜全体が柔らかくなった後、高圧温水で既存塗膜を剥離除去する工法です。
鉛化合物が含まれた既存塗膜をサンダー工法等により河川や大気中に飛散させる事は健康面でも問題と思われます。
環境対応型軟化剤の特徴
- 塩化メチレン系溶解剤を含まないので、住民や工事従事者への影響、又、環境への心配がありません。
- 剥離した既存塗膜はシート状、又は、ウロコ状になるので回収が容易です。
- 約6〜24時間で塗膜全体を軟化させることが出来ます。
- 50%水溶液で中心値PH7.5±1.0範囲内とほぼ中性で、環境にやさしい。
- ほとんどの有機質系の塗料を軟化させることが出来ます。
性状
検査項目 | 品質基準 | 第四類 第二石油類 |
---|---|---|
外観 | 無色から淡黄色粘調液体 | 無目視による |
粘度 | 23.0〜33.0ポイズ(20℃) | B型粘度計、ローターNo.3 30回転、3分後の読み |
臭気 | 弱石油臭 | 鼻視による |
PH | 中心値7.5±1.0範囲内(50%水溶液) | PHメーター |
比重 | 097 | 比重計 |
法令及び安全衛生法
- 消防法/第四類 第二石油類
- 毒物及び劇物取締法/非該当
- 労働安全衛生法/非該当
- 有機溶剤中毒予防規則/第三種有機溶剤含有物
廃棄物の処理
- 剥離後の塗膜カスは「廃プラスチック類」に準じます。
- 本製品の原液を廃棄する場合は「一般産業廃棄物の廃油」として処理して下さい。
高圧温水塗膜剥離洗浄工法の特徴
- 従来のサンドブラスト工法、ハツリ工法、ケレン工法などと異なり、低騒音(82ホーン以下)・低振動で建築物コンクリート下地を傷めることが少なく、塗膜全体を剥離します。
- 高圧(50MPa前後)の温水(70℃以上)を使用するので、剥離作業スピードが速くなります。
- 環境対応型軟化剤を併用することで、より安全かつ効率的に既存塗膜全体を剥離します。
- 温水を使用しますので、廃液による作業環境・周辺環境への影響はほとんどありません。
施工法、施工例
@着工前/施工箇所
A軟化剥離剤塗布状況
B高圧温水剥離、洗浄状況
C着工後/完了
旧塗膜材の回収
施工例/揖斐長良大橋
その他、多彩な用途
タイル下地コンクリートの
目粗し洗浄作業
鉄骨階段の既存塗膜剥離作業
- 新築建物のタイル貼下地のコンクリート表面目粗し
高圧水洗目粗し工法は、タイル貼(直貼の場合)あるいは、モルタル塗りの前に高圧水洗し、密着に必要な素面を形成すると共に高圧水の流量が多いので、コンクリート表面上の型枠剥離剤、不純物を除去することができます。- 高圧水:圧力50MPa/cm2前後、流量35リットル/min前後
- (株)INAXのタイル貼10年保証システムの下地処理に採用
- 床面、外壁の洗浄、油膜剥離
- エフロ除去、塗膜下地処理
- 汚水槽、排水ピット等洗浄
- 船舶・機械・大型車両等の洗浄